イカリブログ

碇太助が日々思う事や気付いたことを記事にするブログです。社会問題・衣食住・子育て・人間関係・いじめ等を取り扱います

碇太助の日々思うがままブログ

【世論は変わった】ディズニーパワハラ問題・NGT暴行問題とバイトテロへの毅然とした対応に見る世論の変化

かつて楽しい、便利は正義だった

ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドのほとんどがアルバイトだと知っていても指摘することは悪いことにであり、むしろ夢の国で働けることは素晴らしいことだという本で溢れていた。
AKB商法の問題点や枕営業やタレントの扱いの酷さが語られていても、夢中になっているファンは耳を塞ぎ金を注ぎ続けた。
事務所を辞めた芸能人が干される。やすい賃金で作られる商品やサービスが提供される。それらは便利さと楽しさに埋もれ興味を持たれない存在で、一部の意識の高い人道家にだけ響く報道だった。

それがおおっぴらに語られ注目されるようになったのはなぜだろう?それは日本の社会が長引く不安の中にあり、多くの人間が安定を保証されない当事者になったからだ。多くの人が楽しさや便利さを与える企業の古い正義より、無視されてきた被害者に自分をかぶらせて感情移入して騒ぐようになっている。

 

外野も当事者も納得できない事に物申すように

問題が大きな反響を得るようになった原因の一つは非ユーザー、外野が反応する割合が多くなったことが大きいだろう。ディズニーリゾートもアイドルグループも興味のない人間にはまったく関わり合いのないことだった。だが、自分が似たような環境にあり同じように不条理に虐げられていると感じる人間が多くなり、興味がなくてもそういうニュースに反応するようになった。

もう一つは当事者、ファンの中でもそのような不条理に反応し声を上げて批判する人間が多くなったのは大きい。一昔前のがっつり掴まっている信者の対応は「外野が無粋なことをいうな。楽しんでいるのに水を差すな」の一辺倒で、運営側はこれをいい事にやりたい放題だった。
そういう運営側の古い体質や意識が変わっていないことは、例えばディズニーリゾートを訴えたキャストが「どの顔をして戻ってきたんだ」と言われたり、NGTのメンバーが問題が長引くのを迷惑そうに発言したりしていたことから伺える。それに対して熱狂的なユーザーから非難が上がりSNSなどで激しく攻撃されていることは誤算だろう。
そういう「狂信者」と「一般信者」を履き違えたズレが大々的に報道され、外野からさらに非難を浴びる格好の素材になっている。

 

ニュースは大衆の味方

ニュースは大衆が味方するほうの味方である
コンビニの24時間営業がオーナーを苦しめる問題も、これまで便利さから見向きもされなかったのが「自分も企業から買い叩かれている」と感じる大衆が増えて注目されることになった。ゴーン事件もリストラや低賃金の不満が大衆にあるので、いくら国際的に見て勾留が非人道的だと世論を味方につけようとしても、会社を私物化したという報道にうもれていった。

そんな時流を味方につけたのはバイトテロへの毅然とした対応である。不正や悪い行いに厳しく対処するという内容は大衆の支持を得ることに成功した。バイトテロにも非正規雇用化という問題が内包されていたかもしれないが、悪ふざけをするのは浮かれた少数派で、道で電車の中で職場で、そういうタイプに迷惑していると感じる人間が多かったということだ。悪いことは悪いと断罪する姿勢が現在は評価されるのだ。

旧来の価値観が大衆に支持され続けていると勘違いした安定組の組織トップ層と、常に不安定な立場に置かれ不安を感じながら生活するようになった大衆の正義のズレは未だに大きい。今後、それを感じ取れずに対応を誤る組織の未来は明るくはないだろう。